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フランチャイズ契約に関する裁判例の紹介

競業避止義務違反行為の差止め

競業避止義務違反行為の差止め(平成20年9月17日東京高裁判決)

<事案の概要>
X(加盟店)は、弁当販売のフランチャイズチェーンを営むY(本部)とフランチャイズ契約を締結した。このフランチャイズ契約では、地区ごとにフランチャイジーに対して直営権及びサブフランチャイズ権を与えるというものであり、XもYから、ある地区における直営権及びサブフランチャイズ権を与えられていた。
その後、Xは、Yが使用する商標権の一部を自己が有すると主張して、Yに対して損害賠償請求をした。一方、Yは、Xが消費期限を超過した弁当を販売していたことが判明したことや、Xの店舗がYの全国統一仕様に反するとして、今後のフランチャイズ契約の維持が不可能となる旨の通知を送付した。その後、Yは、Xに対し、フランチャイズ契約を期間満了により終了させる旨の更新拒絶の意思表示を行った。
XとYは、商標に関する裁判において和解交渉を行っていたが、Yが更新拒絶の意思表示をしたこと等を理由に、信頼関係が破壊されたとして、フランチャイズ契約の解約の意思表示をし、Yとは別のブランドを称して弁当販売事業を継続した。
そこで、Yは、フランチャイズ契約の期間満了までは契約が終了していないこと、この期間満了まで、Xが競業避止義務を負うことを理由に、同種の事業を行うことを禁止することを求めた(仮処分)。

<決定の概要>
1 フランチャイズ契約が終了したか
本件においては、①XがYを相手として、Yが使用する名称について商標出願を行い、その使用料を求める訴訟を提起していること、②Xが消費期限の経過した商品を販売していたことを発表した上、問題解決に対してYに十分な協力をしなかったこと、③XがYのコンセプトを無視した弁当のワゴン販売等を行い、Yの複数回の警告に従わなかったこと等からすると、XとYとの信頼関係は主としてXの行為によって破壊されたと認めるものが相当であり、Yが契約の更新拒絶の意思表示をしたことにより契約は終了した。

2 競業避止義務の存否
XとYとの契約においては、契約終了後の競業避止義務が記載されていないから、契約終了後の競業避止義務の合意があったとはいえない。
しかし、両者は、①長期にわたる継続的なフランチャイズ契約関係にあったこと、②Xが九州地域や東日本の多くの地域を事業範囲とする屈指の加盟店であったこと、③契約期間中における競業避止義務違反に関する条項は存在したこと、④仮に契約終了後の競業避止義務を一切負わないとすると、Yは甚大な被害を受け、Yが築いた無形の財産の保護にかけることになること等から、契約に付随する義務として、信義則上、XはYに対して一定期間の競業避止義務を負う。

3 差止め請求の可否
Xの競業避止義務は、Yとの契約に付随する義務として信義則上発生した義務であり、履行自体の強制を求め得るような強い効力があるとは認めがたいこと、競業避止義務は、Yの営業の自由を強く制約するものであること、事業が差止められることによってXが被る損失、負担は甚大であることから、競業避止義務の履行の強制を求めることはできない。

解説

競業避止義務は、同種の事業を行うことを禁止するものですから、これに反した場合、その効果として、事業自体の停止が認められる場合があります。しかし、事業を行うこと自体が禁止されると、義務者の営業の自由が強く制約されます。一方、競業禁止を求める側としては、例えば、金銭によって、競業を行われたことによる損害の賠償を得るという方法もあります。

このように、競業避止義務に違反した場合に、その効果として、実際に事業を行うこと自体を差止めることによる損害が大きいことや、競業がなされることによる損害を償いうる他の方法があることから、競業避止義務において事業を行うこと自体を禁止することを求めることは、損害賠償を求めるよりもよりハードルが高いといえるでしょう。

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