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フランチャイズ契約に関する裁判例の紹介

競業避止義務に反して同種の事業を行った場合の損害賠償

競業避止義務に反して同種の事業を行った場合の損害賠償(平成17年1月25日東京地裁判決)

<事案の概要>
X(加盟店)は、高齢者向けの弁当宅配事業のフランチャイズを展開するY(本部)とフランチャイズ契約を締結した。XY間のフランチャイズ契約には、契約終了後3年間の競業避止義務条項が置かれていた。
  Yは、Xが開業時までに支払うべき保証金を支払わないなどの契約違反があったことを理由に、Xとのフランチャイズ契約を解約する旨の意思表示を2度行った。
  しかし、Xがこの解約の意思表示後も弁当宅配事業を営み続けたことから、Yは、Xに対し、競業避止義務条項に違反していることを理由に、損害賠償請求をした。

<判決の要旨(損害に関する部分)>
1 ロイヤリティを受けられたであろう利益
Y(本部)は、X(加盟店)との間のフランチャイズ契約を解除して契約を終了させれば、新たな加盟店とフランチャイズ契約を締結し、その契約によって加盟店からロイヤリティを得ることができたはずであるのに、Xが競業避止義務に違反して弁当宅配事業を継続したため、新たな加盟店とフランチャイズ契約を締結してもロイヤリティを得ることができない。したがって、Yが得られたであろうロイヤリティは、Xの競業避止義務違反と相当因果関係がある損害と認めることができる。

そして、Xは、Yとのフランチャイズ契約が終了したときまで、平均して1か月9万0135円のロイヤリティ支払義務が生じている。したがって、Xの弁当宅配事業の継続によって、Xが営業を注視するまで、Yは1か月9万0135円のロイヤリティを失っており、この損害が毎月生じている。

2 Yが新しい加盟店に支払い続けている経費
Yは新たな加盟店と契約を締結し、弁当宅配事業を開始したが、Xが競業避止義務に違反して弁当宅配事業を継続したため、新たな加盟店の事業経営が困難な状況にあり、売上がほとんどなく、他方、賃料や人件費など毎月の固定経費の支出が避けられない。そして、Xは、営業の中止を命じる裁判所の仮処分命令に違反してまで弁当宅配事業を継続していることからその違法性の程度は大きく、Yが考えられる法的な手続を尽くしてもXの営業を中止させることができなかった事情が認められる。そうすると、Yが新たな加盟店に対する固定経費の負担はやむを得ず、その負担額が合理的な範囲内であれば、Xの競業避止義務との相当因果関係のある損害と認めることができる。

Yが新たな加盟店に対して負担した固定経費は、粗利益の平均値毎月100万円であり、この9か月分900万円は、合理的な範囲内といえる。したがって、この900万円は、Xの競業避止義務違反と相当因果関係のある損害といえる。

解説

フランチャイズ契約に定められた競業避止義務違反に違反したけれども、その損害賠償額について予定した条項がない場合、損害額をどのように計算するべきか、という点について判断したのがこの裁判例です。
この裁判例では、まず、①元加盟店が競業避止義務に反して事業を行わなければ得られたロイヤリティが損害になるとして、これを、元加盟店が契約していた期間の平均ロイヤリティを基準に、元加盟店が同種の事業を中止するまで(競業避止義務条項が有効な期間)毎月発生するとしました。
また、本部が元加盟店との契約終了後に新たに契約した加盟店した場合、②元加盟店の競業避止義務違反により、新たな加盟店の売上が上がらなかったために、新たな加盟店に対して負担した固定経費も合理的な範囲に限り損害として認めるとして、新たな加盟店に対して支払った分(毎月の粗利益の平均値100万円の9か月分である900万円)も損害として認めました。

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