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フランチャイズ契約に関する裁判例の紹介

本店の閉店指導義務

本店の閉店指導義務(平成17年3月24日那覇地裁判決)

<事案の概要>
コンビニエンスストアのフランチャイズ本部Xは、加盟店であるYらに対して、商品代金等の請求をした。これに対して、Yらは、Xに対して、損害賠償等請求等の反訴(民事訴訟の被告が、同じ裁判の中で原告に対して新たに訴訟提起すること)を提起した。
Yらは、Xの請求に対して、①加盟契約は要素に錯誤があるため無効である、②仮に加盟店契約が有効であっても、Xの商品代金請求は信義則に反する、③XはYらに対して正確な情報を提供すべき義務や閉店を指導するべき義務に違反したから、YらはXに対して債務不履行に基づく損害賠償請求権や不当利得返還請求権を有しており、これらの請求権とXの請求権を相殺すると主張した。
今回は、XがYらに対して閉店を指導すべき義務があったかという部分を取り上げます。

<判決の概要>
1 加盟店Y1について
Y1は、コンビニエンスストア経営の知識、経験を踏まえ、当面の経営は厳しいものの、将来性は十分にある旨自ら判断して加盟契約を締結したというべきである。
加盟契約には、XもY1も独立した事業者であり、Y1は経営を自己の責任と負担において行う旨が記載されている。
そのため、Y1が主張する開店6か月後の時点において、Y1が店舗経営によって利益を上げることができない状況にあったとしても、XがY1に対し閉店を指導すべき義務まではない。

2 Y2について
Y2は、酒類販売免許を取得する約2年後までの間には売上が損益分岐点に達しない可能性があることや、その場合、最低保障制度による補填額の範囲内で店舗を運営することを余儀なくされる等の事情を自ら検討し、これを前提とした上で、Xと加盟契約を締結したことが認められる。
その他、Y1と同じく、独立した事業者で自己の責任と負担で経営するという加盟契約に定められている。
よって、XがY2に対し閉店を指導すべき義務まではない。

3 Y3について
Y3は、開店以降、Xの予測した売上高をおおむね達成するという良好な売上を継続して上げていたのであるから、そもそも開店6か月後の時点で閉店する理由はない。
Y1と同じく、独立した事業者と自己の責任と負担で経営すると加盟契約に定められている。
良好な売上にもかかわらず、事業計画記載の経常利益と比較して低額になったのは、第一次的には経営者で合えるY3の経営判断と責任に基づく結果である。
Xは人件費や在庫ロスの削減の指導をしており、販売協力義務は尽くしているので、それ以上にY3に対して閉店を指導すべき義務まではない。

コメント

フランチャイズの本部は、加盟店に対して情報提供をして、適切な経営指導を行ったりする義務を負っています。加盟店はこのようなメリットを期待してフランチャイズ契約を結ぶことも少なくありません。今回の裁判例は、そのような経営指導義務の究極的な場面である閉店指導義務があるかどうかが争われた事例です。
結論としては、どの加盟店との関係でも、本部に閉店指導義務はないとされました。判決にもあるように、加盟店になろうとする者がフランチャイズ契約は結ぶかどうか自由ですし、加盟店は独立した事業者ですから、閉店するかどうかも加盟店が自ら決めなければなりません。本部の経営指導は、経営していくと自ら決めた加盟店を補助する程度のものにすぎません。
ただし、今回の裁判例とは異なり、加盟店がフランチャイズ契約を締結するか、どう経営していくかという判断の前提となる本部の情報提供や指導が不十分だったり、誤っていたりする場合には別問題です。本部の情報提供義務や指導義務の債務不履行があったとして、損害賠償を請求することができる場合もあります。
このような場合に当たるかは、ケースバイケースで、どのようなフランチャイズ契約の内容だったか、どのような対応を本部が行ったかという観点で、本部にどれだけの不手際があったかによります。本部の不手際で損害が生じてしまった際には、専門家である弁護士に是非ご相談ください。

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