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フランチャイズ契約に関する裁判例の紹介

契約終了後の競業避止義務2

契約終了後の競業避止義務2(平成22年1月25日大阪地裁判決)

<主な争点>
フランチャイズ契約終了後の競業避止義務規定の有効性

<結論>
競業避止義務規定は有効

<事案の概要>
X(加盟店)は、飲食店業を展開していたY(本部)と、弁当宅配業に関するフランチャイズ契約を締結した。同契約では、契約終了後3年間の競業避止義務及び競業避止義務に反した場合の違約金支払いの規定が定められていた。Xは、同契約に基づいて8年間、店舗を構えて弁当宅配業を営んでいたが、期間満了により契約は終了した。
しかし、Xは、契約終了後も、同一場所において、屋号のみを変更して弁当宅配業を継続した。そのため、Yは、Xに対し、同一市内において同種の営業を行わないことと違約金の支払いを求めた。

<判決の内容>
1.競業避止義務の目的の合理性
フランチャイザーであるYは、高齢者向け宅配弁当事業の業界で有力な企業であり、そのフランチャイズ事業は、業界新聞で特集が組まれるなど一定の評価を受けている。そのため、加盟店であるXは、Yの展開するフランチャイズ事業に対する信頼・評価を基に宣伝・広告活動等を行い、顧客を獲得することができたといえる。一方、Xは、Yとフランチャイズ契約を締結する前の段階で、弁当宅配事業を営んだ経験はなかったのであるから、Yから冷凍食材の提供等を受けることで、調理の経験も調理コストの負担もなく開業できるというYのフランチャイズシステムなしに、弁当宅配業に参入し、事業を軌道に乗せることは困難であったというほかない。
Yは、契約上、Xと同一市内における同一業態のフランチャイズ営業を認めないこととしていたため、Xは同一市内における高齢者向け弁当宅配事業を独占的に展開することができた。加えて、Yは、日替わりメニューの採用し、1食当たり多数の品数を準備したり、高齢者向けの味付け、栄養バランスに留意したりする他、安否確認サービスという付加価値を付けるなどして、他の業者と差別化を図っている。このような同業他社との競争に打ち勝つためにYが採用した具体的な工夫を、Xはそのまま利用することができた。したがって、XY間のフランチャイズ契約における競業避止義務規定の目的は、Yのフランチャイズシステムを利用して獲得・形成した顧客、商圏を流用することを防止するとともに、Yのフランチャイズシステムのノウハウ等の営業秘密を保持する意義をもつものであって、合理性を有する。

2.旧フランチャイジーの被る不利益の程度
XY間の競業避止義務規定は、旧フランチャイジーが行う営業の禁止期間を3年間、禁止対象とする営業を弁当の製造、販売、宅配業に限定し、営業差止めの対象地域も同一市内に限定している。したがって、旧フランチャイジーの被る営業の自由の制約等の不利益は、相当程度緩和されている。

3.小括
XY間の競業避止義務規定は、フランチャイズシステムの顧客、商圏を保全するとともに、営業秘密を保持する重要かつ合理的な趣旨目的を有する。他方、旧フランチャイジーが被る営業の自由の制約等の不利益は、相当程度緩和の措置がとられている。
したがって、本件の競業避止義務規定は、旧フランチャイジーの営業の自由等を過度に制約するものとはいえず、有効である。

解説

本裁判例は、競業避止義務規定の趣旨目的に合理性があることと、同義務により旧フランチャイジーの営業を制限する期間、場所、営業の種類が限定的であって過度の制限に渡らないことを理由に、競業避止義務規定を有効と判断したものです。
先に紹介した東京地裁平成21年3月9日判決では、競業避止義務規定を無効と判断していますが、この事案は、競業避止義務規定の趣旨目的に合理性が低く(フランチャイザーの保護すべき顧客、商圏、営業秘密等の程度が大きくない)、他方、旧フランチャイジーの営業を制限する地域に限定がない(旧フランチャイジーの営業の自由の制限が大きい)点で、本裁判例とは事情が異なっているため、結論が異なったと考えられます。

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