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フランチャイズ契約に関する裁判例の紹介

加盟店が負担した看板の撤去義務

加盟店が負担した看板の撤去義務(平成23年9月27日さいたま地裁判決)

<事案の概要>
加盟店Xは、コンビニエンス・ストア(A)のフランチャイズ展開をする本部Yとフランチャイズ契約をした。Xは、店舗を開業する際に自らの費用負担で設置したAの店頭看板を設置した。その後、店舗の改装工事に伴い、新しい看板に取り換える工事費用として約100万円をXが負担した。
その後、XY間のフランチャイズ契約が終了し、店舗を撤去することとなったが、XY間の契約上、契約終了に伴いXが看板の撤去義務を負うこととなっていた。そこで、Xは、
看板の設置費用を加盟店として加盟店の所有としているにもかかわらず、契約終了に伴い加盟店に看板の撤去義務を負わせることは公序良俗に違反するとして、看板の取り換え工事費用100万円の支払いを求めた。

<判決の概要>
Yにおけるフランチャイズ事業の展開において、Aに係る商標、サービスマーク、意匠、著作物に係る権利は、極めて重要なものであり、それをYの本部及びフランチャイズチェーン各店においてのみ、その営業のシンボルとして統一的に使用されることは、本部及び加盟店の両者の経済的な利益の保護のために不可欠のものということができる。

そして、本部が示す店舗計画に従い、加盟店が自らの費用で建築、改修工事をして所有する建物においてAの仕様による店舗を開業する際に、その営業のシンボルとなるAの商標、サービスマーク及び意匠を表示した店頭看板を設置するにあたり、これが付属する建物の所有者である加盟店においてその費用を自らが負担して店頭看板を所有するものとして、以後、Aの店舗計画に従った所有建物と同じく、自ら維持管理すべきものとするXY間の契約内容は、不合理なものということはできない。

また、フランチャイズ契約の終了に伴う店舗の閉鎖の際には、Aの商標、サービスマーク及び意匠等を使用する権利は消滅するから、他に流用することのできない店頭看板を加盟店に廃棄させる義務を負わせることは、商標法上の差止(廃棄)請求権にも適うし、Yのフランチャイズ事業全体の経営を維持、発展するため、本部及び加盟店の両者にとっても必要なものである。
加えて、他のフランチャイズチェーンにおいても、同様の看板撤去義務を加盟店が負担する約定は数多く締結されていることから、その合理性及び社会的相当性を否定することはできない。

したがって、契約書に明記され、フランチャイズ契約を締結しようとする加盟店において十分に理解した上で契約が締結される限り、看板の設置費用を加盟店の負担として加盟店の所有を認めつつも、撤去義務を負わせる契約内容は、契約自由の原則の範囲内にあると評価され、公序良俗に反し、あるいは、権利濫用として無効となることはない。

コメント

本件は、フランチャイズ契約において、本部のブランドを示す看板の設置工事費用を加盟店が負担し、加盟店の所有としつつも、契約終了に伴う閉店に際して、看板の撤去義務を加盟店に負担させている条項の有効性が問題となった事案です。

一見すると、設置費用を負担して加盟店の所有となった看板ですから、これをどのように使用、処分するかは、所有者である加盟店の自由と考えることも可能です。しかし、本判決は、フランチャイズチェーンのブランド、信用性を保護するため(粗悪、低品質の商品、サービスに同ブランドが勝手に使用されて信用を失うことを防ぐため)には、契約終了に伴い、自社のブランドが付された看板等を撤去させることを加盟店に義務付けることも、本部のみならず加盟店の利益にもつながるものであるから、必要であって合理性があると判断しています。

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