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フランチャイズ契約に関する裁判例の紹介

出店地域の認識の齟齬によるFC契約の成否及び有効性

出店地域の認識の齟齬によるフランチャイズ契約の成否及び有効性(平成19年3月23日大阪地裁判決)

<事案の概要>
X(加盟店)は、居酒屋のフランチャイズを展開するY(本部)と、加盟店募集の代行業を行う仲介業者を通じてフランチャイズ契約を締結した。XとYは、加盟店3店舗分のフランチャイズ契約を締結し、それぞれの加盟店ごとに1通ずつ契約書を作成し、Xは各契約書に署名押印していた。ただし、出店予定地欄は空欄であった。
後に、Yの記名押印がなされた上記3通の契約書がXに送付されたが、その時点で、各契約書には、出店予定地の記載があった。しかし、Xは、自分の認識していた出店予定地と異なることを理由に、フランチャイズ契約の不成立又は契約の無効を主張し、既に支払った加盟金の返還を求めた。

<判決の内容>
1 フランチャイズ契約が成立しているかどうか
Xは、出店予定地欄を空欄にしたままフランチャイズ契約書に署名押印した際、出店地としては、3店舗すべてA駅周辺に出店する予定で3つのフランチャイズ契約を締結する旨の意思表示をしたものと認められる。
上記のXの意思表示に対して、Yは、3契約のうち2契約については、出店予定地をA駅周辺とし、残り1契約については、B駅周辺を出店予定地とする記載をし、Xに契約書を送付している。
そうすると、出店予定地をA駅周辺とする2契約については、XとYとの間で認識が合致しているが、出店予定地としてB駅周辺と契約書に記載された契約については、XとYとの間で認識に齟齬がある。したがって、出店予定地としてB駅周辺と契約書に記載された契約については、契約は成立しなかったものと認められる。

2 フランチャイズ契約有効かどうか
Xが、出店予定地を全てA駅周辺と認識してフランチャイズ契約の申し込みを行ったのは、経営効率の点に加え、A駅周辺の区域を独占しようと考えたからであるが、このようなXの動機は合理的なものということができる。そして、Xとしては、A駅周辺の3店舗の契約ができなければ、そもそもフランチャイズ契約の申し込みを行わなかったものと認められる。
フランチャイズ契約の締結にあたり、Yの従業員が、A駅周辺の3店舗を独占するメリットを説明してXに契約締結の勧誘を行っていることからすると、XとYとの間で締結されたA駅周辺を出店予定地とする2つの契約は、錯誤により無効である。

解説

フランチャイズシステムに参加する加盟店にとって、どの地域、どの場所に出店できるかは事業の成功に非常に重要な事情ですから、フランチャイズ契約の締結にとっても重要な要素を占めます。上記裁判例は、加盟店側が、A駅周辺の3店舗を独占的に経営するメリットを享受する意図で契約を締結したにもかかわらず、実際の契約書に記載されたものが、A駅周辺の2店舗と他の駅周辺の1店舗であることから、契約は不成立または無効であるとしています。フランチャイズ契約にとって、出店する地域の重要性を認め、出店する地域についての本部と加盟店との認識の齟齬が契約の効力にまで影響が及ぶことを認めた裁判例です。

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