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フランチャイズ契約の法律相談

フランチャイズ契約による海外進出 ~中国編~

フランチャイズ契約の強みはスケールメリット

フランチャイズ契約は、統一的なノウハウや流通経路を採用することによって、それぞれが比較的小規模な投資によって、大きなスケールメリットを得ることができます。
そして、このようなメリットは、何も国内だけにとどまりません。
業種によっては、日本国内の限られた商圏を抜け出し、海外へ進出した方が、より大きな効果を発揮することもあります。
今日では、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの小売業、レストランやファストフードなどの飲食業、アパレル関係など、さまざまな業種が、フランチャイズ契約によって海外展開を行っています。

海外進出の際に気をつけるべきこと

フランチャイズ契約に限らず、日本国外において契約をする際に法律上気をつけなければならないこととして
① 準拠法の定め
② 当該国における規制内容
の二つがあげられます。
以下で説明します。

① 準拠法の定め
準拠法とは、当該契約関係において、適用される法律のことを指します。
たとえば、日本国内で、八百屋で野菜を買った場合、当然に日本の法律が適用されます。
八百屋で買ってきた商品が腐っていた場合、日本の民法に従って、返金をしてもらったり、代わりの商品と交換してもらったりすることになります。
もっといえば、返金をしてもらえるのか、代わりの商品と交換してもらえるのか、はたまた何も要求できないのかは、法律によってどう定められているかによることになります。
では、国外での取引の場合にはどうでしょうか。
A国人がB国人の八百屋から買った野菜が腐っていた場合、もしもA国の法律では「代わりのものと交換してもらえる」とあり、B国の法律では「買った人が選んだものだから何もしなくてよい」とあったとすると、果たしてどちらの結論となるでしょうか。
このような問題を回避するため、準拠法を定めることになります。

日本においては「法の適用に関する通則法」という法律において、原則として当事者の選択にゆだねています。
そのため、契約をする際に、何か問題が生じた際の準拠法を定めておくことが肝要です。
そして、この準拠法を定めるにあたっては、さまざまな具体的な事情を踏まえて行う必要があります。
たとえば、
その契約においてどのような問題が生じうるか
それについてどの国の法律が有利か
問題の解決のために強制執行等を要するか
要する場合、相手方の国において、他国法に基づく判決の執行が可能か
などの要素を慎重に検討する必要があります。

② 当該国における規制内容
上記の準拠法は、あくまで当該契約において適用される法律がどこかという問題でした。
しかし、海外出店をするとなると、その他に、出店先の国の法律に合致した取引であるか、という点も問題となります。
これは、各国、各地域によって異なるため、出店に先立って、適用法律や判例を調査することが必要です。
以下では、この外国における規制のうち、中国におけるフランチャイズ出店の規制を説明します。

中国におけるフランチャイズビジネス規制

日本では、フランチャイズ契約に対する基本法は存在しません。
それに対して、中国では「フランチャイズ管理条例」という基本法が2007年に施行されています。
そのほかにも、「フランチャイズ届出管理弁法」「フランチャイズ情報開示管理弁法」などの手続法も定められており、日本よりもはるかにフランチャイズビジネスについて、規制が整っています。
フランチャイズ管理条例の内容にしたがって、日本のフランチャイズビジネスと異なる点を紹介します。

・本部となるために要件がある
中国では、フランチャイズ本部となるためには少なくとも直営店を2店舗以上もち、1年を超えて経営している実績が必要となります。
この点、以前は「中国国内において直営店を2店舗以上」とされていましたが、現在は国内要件は文言上は撤廃されています。
ここで気をつけなければならないのは、たとえば日本企業が中国国内に子会社を新設してフランチャイズ本部を立ち上げようとした場合、この要件によって本部となれないこととなります。
そのため、フランチャイズ展開するためのスキームの組み方から検討する必要があります。

●政府への届出が必要
本部は、フランチャイズ契約をして店舗展開をするためには、出店先の省に対して届出が必要です。
この届出は、最初のフランチャイズ契約が締結された日から15日以内とされており、以下の資料を提出する必要があります。
・営業許可証のコピーまたは企業登記証明書のコピー
・フランチャイズ契約書の見本
・フランチャイズ経営のオペレーションマニュアル
・マーケティングプラン
・本部となるための要件を備えていることを表明する資料
等々

●書面による契約が必要
日本においても、フランチャイズ契約のような複雑な契約を、書面を取り交わさずに行っている例はほとんどないと思われます。
しかし、中国では、書面による契約が必須と規律されています。
また、この書面の内容も、以下の主要事項を取り決めておかねばならないとされています。
・フランチャイザー、フランチャイジー双方の基本的な情報
・フランチャイズ経営の内容、期限
・フランチャイズフィーの種類、金額およびその支払い方法
・経営指導、技術サポートおよび業務トレーニングなどのサービスの具体的な内容と提供方法
・製品やサービスの品質、基準要求と保証措置
等々

●契約内容の事前告知が必要
フランチャイズ契約をするためには、契約の締結日から30日以上前に、フランチャイジーとなろうとする者に対し、法定事項を記載した書面及び契約書文面を交付して、事前に告知する必要があります。
契約書は、上述のとおりですが、その他に準備すべき法定事項としては
・フランチャイザーの名称、住所、代表者、資本金、経営範囲及びフランチャイズ経営活動に従事する基本状況
・フランチャイザーの登録商標、企業マーク、特許、特別な技術と経営パターンの基本状況
・フランチャイジーの経営活動に対する指導、監督の具体的方法
・フランチャイズ経営のネットワークの投資予算
・中国国内で現有のフランチャイジーの加盟数、分布地域及び経営状況の評価
等々があります。
日本においても、特定連鎖化事業(小売店や飲食店のフランチャイズ化)の場合には、法定開示書面を交付すべきと規制されていますが、中国では、フランチャイズ契約一切について開示する必要があり、しかも期限も定められているのが特徴的です。

●契約内容も、チェックが必要
中国でも、日本と同じ契約内容でよいかというと、問題が生じることもあります。
たとえば、中国では、フランチャイジーに、一定の期限内に、一方的に解除することができる、いわゆるクーリングオフを認める必要があります。
クーリングオフは、日本では消費者取引を念頭に定められており、商取引であるフランチャイズに適用ができるかは問題となりますが、中国では明確に契約上に定める必要があることとされています。
また、原則としてフランチャイズ期間は3年以上とされています(双方の合意で短縮は可能)。
また、日本のコンビニエンスストアなどでは当たり前となっているオープンアカウント方式によるロイヤリティの徴収は、中国では認められていません。
このように、契約内容についても、日本における内容をそのまま流用できるというわけではないのです。

フランチャイズ契約以外の方法を採用するか

上記のとおり、中国においてフランチャイズ契約を行うとすると、多くの規制に対応する必要があります。
そのため、これらの規制に引っかからない形で契約ができないものかという考えも生じると思います。
ここで、中国におけるフランチャイズ契約とは、法律上
① 登録商標、企業マーク、特許、ノウハウ等の経営資源を有する企業(フランチャイザー)が
② 契約により他の事業者(フランチャイジー)に対してその経営資源の使用を許諾し
③ フランチャイジーが、契約の定めに従って統一の事業モデルの下で事業を展開し、かつ、フランチャイザーに対してフランチャイズ費用を支払う事業活動
とされています。
そこで、③に着目をして、「フランチャイズ費用」を支払わなければ、フランチャイズ契約に該当しない、ひいては、法律の規制にも引っかからない、と契約内容を調整する例も少なからず存在します。
しかし、ここにいう「フランチャイズ費用」は、商標利用料やコンサルティング料など、フランチャイズ経営にとって必要なあらゆる費用が含まれていることとされています。
そのため、これらの費用を「無償」とする一方で、商品や材料の卸売値などに上乗せすることがあれば、これは脱法行為として中国当局より処罰される可能性が生じます。
他店舗展開を行っていくのであれば、行いたい契約内容に沿った契約書を作成した上で、必要な手続きを行ったほうが、はるかに小さなコストでリスクを回避できるでしょう。

進出先としての中国

中国は、今なお経済成長が著しく、多くの日本企業が進出しています。
日本企業の持つ技術力や、行き届いたおもてなしの精神は、中国においても需要があるといえるでしょう。
日本と物理的な距離も近く、日本から人材や食材などの移動をさせやすいのも大きなポイントです。
確かに、上記で見てきたようなややこしい規制はあります。
しかし、裏を返せば、規制に則って適切に契約をすれば、日本よりも紛争が生じる可能性を減らすことができます。
これは、フランチャイズ分野での判例蓄積が少ない中国ならではの、事前規制という側面があるのでしょう。
そのような観点から考えれば、中国においてフランチャイズ店舗を展開していくことは、大きなビジネスチャンスといえるでしょう。

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