お問い合わせはこちら フランチャイズ契約の法律問題 フランチャイズ契約に関する裁判例の紹介 東京みずき法律事務所について
アクセスはこちら
対応エリア 関東を中心に全国対応 東京みずき法律事務所 コーポレートサイト
フランチャイズ契約に関する法律相談 > フランチャイズ契約に関する裁判例の紹介

フランチャイズ契約に関する裁判例の紹介

本部側の、①契約締結過程における勧誘行為の違法性と、②経営指導義務違反について判断した事例

本部側の、①契約締結過程における勧誘行為の違法性と、②経営指導義務違反について判断した事例(東京高裁平成21年12月25日判決)

<事案の概要>
大衆的な食堂を首都圏で展開する会社Y(フランチャイザー)とフランチャイズ契約を締結した会社X(フランチャイジー)が,契約で定める区域内での出店が容易であるなどと虚偽の説明によって契約をさせられた等として,Y(とその業務委託会社)に対して,損害賠償等を求めた事案。

<本件の争点>
①XとYとの間の契約締結過程における、契約で定める区域内での出店が容 易であるなどとの勧誘行為は、詐欺に該当する違法なものか
②Yに経営指導義務違反があったといえるか、それが認められる場合、損害額をどのように算定するか
③フランチャイザーであるYからのフランチャイズ契約上の競業避止義務に基づく営業の差止め及び違約金の支払を求めることが許されるか。

<判決の概要>
①XとYとの間の契約締結過程における、契約で定める区域内での出店が容易であるなどとの勧誘行為は、詐欺に該当する違法な行為である。
②Yに経営指導義務違反は認められる。そして、その損害額の算定には、民事訴訟法248条(損害額の立証が困難な場合に、裁判所が、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる旨の規定)を適用する。
③勧誘行為が詐欺に該当するとされ、また、経営指導義務違反があったとされたYが、フランチャイズ契約に基づきフランチャイジーの競業菱義務違反を主張することは信義誠実の原則に反し、権利の濫用であって許されない。

<コメント>
本判決は、以上のとおり、三つの争点について、判断を下したものです。
この三つの争点の中でも、特に注目したいのが、①詐欺的勧誘行為の有無と②経営指導義務違反の点です。

①詐欺的勧誘行為の有無について
フランチャイズ契約を締結したとしても、契約の締結過程において、フランチャイザーによるフランチャイジーに対する説明が虚偽であったり、不十分であったりすると、本判決のように、違法な勧誘行為であるとされてしまい、契約が無効とされたり、損害賠償請求をされてしまいます。
本判決では、Yが、店舗物件探しの過程で立地の良い物件を探すのが容易ではないことを知っていたにもかかわらず,店舗物件の確保が容易で,契約エリアにおいて独占的に営業することができ,開店後も他のフランチャイズチェーンと同水準の専門性のある経営指導を受けることができると虚偽の説明を行ったと認定されています。
このような事態に陥らないように、フランチャイザー側としては、フランチャイズ契約締結の際に説明する事項などを類型化しておくのが有用かと思われます。その類型化した説明事項は、専門家によるチェック(弁護士によるリーガルチェック)を経ていると安心です。

②経営指導義務違反
フランチャイズ契約においては、フランチャイジーが営業を行う際 に、営業ノウハウをフランチャイザーから指導を受け、その対価として、フランチャイジーがフランチャイザーに対して加盟料等を支払うことが、本質的要素であるといえます。
そうすると、フランチャイザーがフランチャイジーに対して行わな ければならない経営指導義務としては、フランチャイジーがフランチャイズ経営をするにあたって、客観的かつ正確な情報を提供する必要があると考えられます。
本判決では、Yは、加盟店であるXに対して,経営指導について専門性を有するスーパーバイザー(SV)を臨店させて加盟店の経営指導を行う債務を負っていたものというべきであるが,Yは,SVを必要な人員だけ揃える努力をすることを契約の準備段階から完全に怠り,SVの多くをチェックリスト項目の形式的チェック(これ自体は専門性を有する業務とはいえない。)しかできないような経験と能力に乏しい若手社員をもって充て,SVの研修,教育に費用と時間をかけることも怠ったまま,このような若手社員SVを中心に加盟店への臨店をさせたにとどまるものである。経営指導を行う債務は,一定の結果を実現することを債務の内容とするものではないことを考慮に入れても,このように最初から専門性のあるSVの即戦力採用も社内育成も十分に行わず,加盟店の多くが専門性の乏しい若手社員のSVの臨店しか受けることができない状態を続けることは,経営指導義務の債務不履行に該当すること,これにより控訴人らに損害が生じた、と判断しています。
この判決から、フランチャイザーとしては、フランチャイジーに対する経営指導をするにあたって、経営指導についてある程度の経験や能力を持った社員を充てなければ、経営指導義務違反を問われる可能性があるといえます。
そのため、フランチャイザーとしては、経営指導について専門性を有する社員を育成しなければならないともいえます。

このように、フランチャイズ契約には様々な法律問題が生じやすいので、少しでも不安に思ったら、ぜひ一度、ご相談ください。
どのような質問にも真摯に対応致します。

ページ上部に戻る